繊維筋痛症 60代女性  

両足の膝の痛みは20年、左足の半月板は手術してもうなく、ふくらはぎの痛みは5年、つま先のしびれ10年以上続いているとのこと。歩くと10分位で痛くて歩けなくなるので、膝の関節を人工関節に変える手術を勧められていて、手術は受けたくないが、仕方がないので半ば腹をくくっていると教えてくれました。この方はまた膠原病やパニック障害もかかえています。

今まで神経科や整形外科などをいくつもの病院や医者をたらいまわしにされても検査で異常がなく治療法もないので、漢方薬を処方されて頼って飲んでいた時もあるが、現在は漢方薬はのんでいないとのこと。

繊維筋痛症はあまり知られていませんが、難病指定にされていない難病だと思います。疲労感や睡眠障害、かびんせい腸症候群など自律神経系の問題も併発することもあるために、非常につらい思いをしている方がたくさんおられます。

日常生活に支障が出るような症状だと、他の方と分け隔てるわけではありませんが、これは何とかしないとと、余計に強い思いに駆られます。

身体を診させてもらうと両膝の神経が異常に緊張しているために、脚が完全に伸びないので、ひざ裏を中心に腿やふくらはぎが床から浮いていました。そこで10分ほど施術をすると8割がた足が伸びてきたので歩いてもらうと、『左ひざの痛みがなく、右ひざだけ痛いです』と教えてくれました。

すぐさま『先生、これは右ひざが痛くなったから左ひざの痛みをわすれたせいですか?』と質問されました。そこで『施術する前より痛くなったならその可能性はありますが、いま痛みはどうですか?』と聞き返すと『片方は全く痛くなく、痛い方は6割くらい良くなってます』と教えてくれました。

それなら『普通に片側の膝が痛くなくなって、もう片方の痛みがまだ4割のこっているだけでしょう』と答えました。そしたら『膝の痛みが楽になるなんて信じられない、私の何十年はなんだったのか、医者に行っても何してもダメだったのに』と半信半疑で驚いていました。

再度下肢の別の問題を取り除いてから、歩いてもらうと両足とも全く痛くないと教えてくれました。4日後二度目の来院時に、話を聞くと4割ほど痛みが残っているが、6割くらい良くなっているとのことで安心しました。

理由は繊維筋痛症に限らず、多少ぶり返すものの数日経過しても症状が施術前の状態に戻らない時は順調に良くなるからです。二回目の施術でまた違う下肢の問題を見つけたので、施術すると前回よりもさらに良くなっているとのことでした。

ふと以前、同じ繊維筋痛症で電話をかけてこられた方の事を思い出しました。その時はいくつか質問をされていましたが、結局くることはありませんでした。もし来ていたら同じように楽になってくれたのに、今頃どうしているのかなと。