整体とは

整体という言葉の意味を辞書などで調べると、手や足の力を用いて骨格を矯正し、筋肉や内臓など各部のバランスを整えて、本来の状態に戻すこと、整体術、整体療法、とあります。

整体の意味は幅広く、代替医療とされている、日本武術の柔術の各流派に伝わる整体の技術、中国整体の技術、オステオパシーやカイロプラクティックなどの欧米から伝わった技術、タイ式マッサージ、リフレクソロジー、オイルマッサージ、アーユルヴェーダなども整体に含まれるようです。

整体方法

整体とは、背骨・骨盤・肩甲骨・手足など体全体の骨や筋肉や骨と骨をつなぐ関節などの歪みやズレを矯正することをいいます。基本的には手や足を使った手技を用い、補助的な道具を使用することもあります。

整体師になるには?

整体師になるには、国家資格を必要としないので、試験や国が定めた手続きや登録をする必要がなく、誰でも今日から整体師と名乗ることが出来ます。日本では、よく民間資格と言われていますが、国に認められているわけではないので、資格にはなりません。

また、民間資格といわれていて、発行されている認定書・認定証・修了証などは個人や、団体、企業が独自で発行しています。数時間で取得できるものから数年で取得できるもの、一定期間通えば取得できるもの、資格取得にあたって試験などがないもの、通信教育で取得できる民間資格などがあり、国家資格のように国が定めた一定の基準に基づいていません。

ですから整体師の技術、知識、経験など統一がされていません。よって、素晴らしい技術を持つ先生や、修了まで年単位を必要とする学校に通う勉強熱心な方もいます。しかし、もう一方ではアルバイト募集・未経験者歓迎などの人材募集も沢山あり、それをみて応募して働いている素人同然の人まで技術レベルは様々です。

もう一つの整体の意味

整体の開祖といわれる野口の定義する整体では「人間にあるという体癖(体の歪み)を愉気法や活元という独自の方法で自己施術し、修正現象がおきることで自然体になる」とあります。野口の定める整体とは、第三者が施術するような方法ではなく、自分で自分の体を整えられるようにする方法で、野口整体の整体道場はそのような指導を行っているとのことです。

整体師と法律

整体師が医業類似行為をすることを、1960年最高裁判所昭和35年1月27日、大法廷判決が「憲法22条は何人も公共の福祉に反しない限り職業選択の自由を有することを保障している」としたことから整体師が医療類似行為をしても法律にとわれないとのことです。
また、医業類似行為は、人の健康に害を及ぼすおそれのある業務行為でなければ禁止処罰の対象とはならない。 ~ 昭和35年1月27日 最高裁大法廷判決?とあります。法律違反にはならないとのことです。

厚生労働省では、「整体は指圧の類ではないか」との疑義照会に対して、昭和47年7月9日付旧厚生省医務局長からの回答で『整体は脊椎等の調整を目的とする点において、あん摩、マッサージ又は指圧と区別される。従って整体は、あん摩、マッサージ又は指圧に含まれないものと解する』とも回答しています。

しかし現実は整体という看板を掲げてマッサージや指圧をしているお店がほとんどでしょう。

●『厚生労働大臣認可 全国整体療法協同組合』『内閣府認証』という表記について
経営組織が中小企業等協同組合である経営互助会に加盟していることを示すもので、国家資格とは違います。 NPO法人設立には内閣府の認証が必要であるため、「内閣府認証」という表記は虚偽ではありません。しかし、厚生労働大臣認可や内閣府認証を前面に押し出して国家資格と混同させるような宣伝しているところが多いです。

考 察

このページを作っていて、『整体師とはどんな職業?』と、あらためて実感しました。
しかし、病院に行って検査をしても異常がないのに、とてもつらい症状を抱えている方がカイロプラクティックや整体で(ここではマッサージ、鍼、指圧、あんま師、リラクゼーション、リフレクソロジーを除きます)改善している方が大勢いるのも事実です。

有資格・無資格と捉えずに、少しでも業界全体の技術水準が上がる事と、辛い症状を抱えている方々が快適な日常をおくる為の切っ掛けや、手助けになれればと思いながら今日も施術しています。